[水も腐るの?!] いつも水を持ち歩く方は要注意!腐りやすい水、腐らせない方法

ペットボトルに水を入れて持ち歩いたり、ミネラルウォーターを買って飲んだりする方が増えていますが、その中身は大丈夫でしょうか?水は無機質だから腐らないと思う方もおられるでしょう。しかし、水も状況によっては腐るのです!傷んだ水でお腹をこわす前に、「水も腐る」ことを知っておきましょう。

水も腐るって知っていますか?

Woman drinking water  in nature

飲むにしても、料理にしても、洗濯や手洗いにしても…私たちの生活になくてはならないのが「水」です。近年、水を飲むことの大切さが知られるようになり、いつでも飲めるようにペットボトルなどに水を入れて持ち歩く方が増えています。常にミネラルウォーターを飲まれている方も多くいらっしゃいますよね。

ペットボトルの水を飲むときにちょっと異臭がしたり、飲んだ水がなぜか美味しくないときがありませんか?実は!そのようなときは「水」が腐っている可能性があります。「水が腐ることなんてあるの?」と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし!水でも腐ることがあるのです!

腐るって何でしょうか?モノ自体が何かの原因で変質してしまって、身体によくないモノになってしまう…というイメージがありますが、「水が腐る」…いったいその実態はどうなっているのでしょうか?

水ってそもそもどんなもの?

water splash

まずは、「水」とは何なのかを見ていきましょう。

水素と酸素が結合した化学式H2Oで示される純粋な物質を「水」呼びますが、この物質自体が天然に存在することはありません。H2Oは有機物を含んでいないので、この物質単体で腐ることはありません。濾過・蒸留の工程を通して作られたH2Oに近い水を純水として扱い、化合物の精密な定量を求められる実験、医療現場、また半導体などの洗浄、発電所の冷却水など、幅広い分野で使用しています。純水は溶解力に優れているため、前述のような分野では活躍していますが、普通飲用として用いることはありません。一般的には、何らかのミネラルなどが溶けたりして存在している物を「水」と表現することが多いようです。

飲用として用いられる水のなかに多く含まれるミネラルには、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、サルフェート、重炭酸塩などがあります。市販のミネラルウォーターには、このようなミネラルが含まれ、または添加されており、欧米のミネラルウォーターのほうが、日本のものと比べるとより多くのミネラルが含まれているといわれています。

水は、私たちの身体の60%から70%を占めており、細胞や体液のなかに多く含まれています。体内の代謝やさまざまな化学反応のもとになっている大変重要な物質です。これが少しでも不足すると、のどの渇きを覚え、ふらついたり足がつったりなど、身体に不調をきたしてしまいます。身体がうまく機能するためには「水」は不可欠で、一日2リットルは飲んだ方がよいと言われているのはそのためです。身体のためにもなるべくよい状態の水を飲みたいものですね!

腐るってどういうこと?

Green and rotten apples. Isolated object.

「水」は、基本的には無味無臭、ノンカロリーの無機物です。一見、腐りそうもない気がしますが、どうやら、腐る原因は水に含まれる不純物にあるようです。無菌状態であれば、不純物を含まない純水は何年も腐らないそうですよ。

「腐る」とは、微生物や細菌がタンパク質などを分解して、人間にとって有害なものに変化させてしまうことだそうです。つまり、その物質のなかで、何かをエサとして微生物などが繁殖している状態です。これを想像するとちょっとコワイですね。

よく似た作用に「発酵」があります。発酵は、食物のなかの糖類を乳酸菌などが分解して、味や栄養をよくしたり、保存性が高まったりする作用で、身体によいものとして知られています。ヨーグルト、チーズ、みそ、しょうゆ、キムチなどが発酵食品として有名ですよね。

発酵は、菌類による糖類の分解によって、乳酸やアルコールがつくられ、うまみが増したり保存性が上がったりする人体にとって有益な作用であるのに対し、腐敗は、微生物や菌類によるタンパク質などの分解によって、硫化水素やアンモニアなどの毒素や悪臭を発生させる人体にとって有害な作用です。発酵においても、腐敗臭を出している場合は、腐っているとみなされるそうです。腐敗と発酵は紙一重のような感じですが、とにかく味やにおいによくない異変が起こっている状態は、「腐っている」と考えていいようです。

水が腐るとどうなる?

virus

前述したとおりH2Oは有機物を含んでいないので、この「水」という物質単体で腐ることはありません。純水に近いほど外部にある物質を取り込みやすく溶解度も高く、天然で純水の状態を保ち続けることはできませんし、私たちの普段の暮らしの中に存在している水のほとんどは、何らかの成分が溶けた状態で存在しています。

たとえ菌などの微生物が繁殖しないように除菌した水でも、放置しておけば除菌成分が空気中に放出されてしまい、微生物が寄りつける環境になってしまいます。その水の中に微生物の栄養となる有機物が存在すれば、そこはたちどころに微生物の温床となってしまうのです。

微生物の繁殖スピードは非常に早く、一度水の中で微生物が繁殖しだしたら次から次へと増えていってしまいます。多少の微生物が死んでも、その死骸中の有機物を利用して次なる微生物が生まれます。これが一般的にいう「水が腐る」という状態です。

水が腐った状態になると、水の中にホワホワとしたかたまりができたり、さらに腐敗が進むと水自体に色が付いたように濁ってきたりします。腐敗によって、悪臭を放つこともあります。微生物が沈殿し、液体自体が透明で臭いがなくても、たくさんの微生物が繁殖しているためにもうそのまま飲用することはできません。

水によって違いはあるの?

水道水は腐りにくい?

Filling glass of water

日本の水道水は、蛇口から出てくるまでに菌などの微生物が寄り付かない状況を保つため、除菌剤として塩素で処理をしています。もちろんこの塩素による処理は、そのまま飲んでも人体に影響のない濃度であるよう規定されており、安心して飲用できます。

また、水道管の内部にある状態の水道水は、流動するシステムになっていることが多く、さらに微生物の繁殖を抑える貯蔵の仕組みで守られています。しかし、蛇口から水をひねり出して、外に水が出てきた時点で話は別です。

まず、蛇口の出口付近で溜まっていた水は、すでに空気と触れている状態にあります。さらに、蛇口に目に見えない微生物が潜んでいることも考えられます。このことからも、一度蛇口から出た水は、もはや半分は水道水ではない状態です。水道水に含まれる塩素は、いったん蛇口から外に出てしまえば約1日で水から抜け出て空気中に放出されてしまいます。

流動が止まり、塩素が抜けてしまえば、菌などの微生物は存分に繁殖できる環境になってしまい、水が腐りやすい状況といえるでしょう。

ウォーターサーバーの水はどうだろう?

ウォーターサーバーの水は、水道水とは違い、微生物を寄せ付けないための塩素を加えていませんが、災害用に保存している方も多く見られるほど保存がきくものが多いです。これは、後述のペットボトルの水と同様に、生産する際に微生物が入らない状態で作られているためです。さらに、密封されているため保存がよく効きます。

しかし、一度サーバーにボトルをセットしてしまえば密封状態ではなくなるため、サーバー本体に水が腐りにくくなる加工が施されているとはいえ、早めの飲用がお勧めです。

浄水器で濾過した水は腐りやすい?

水道の蛇口などに取り付けるカートリッジタイプの浄水器では、主に水道水に入っている塩素を活性炭やフィルタで取り除き、水をまろやかに飲みやすくします。しかし、微生物が寄り付かないようにしている塩素を取り除いてしまえば、水道水に比べて腐りやすくなってしまいます。

その場で飲用する場合には全く問題ありませんが、その水を保存するときは注意が必要です。水筒やペットボトルに移したり、その水でお茶などを作って保存する方も多いかもしれません。その場合は、微生物の繁殖を防ぐために冷蔵保存し、できるだけ早めに消費するように心がけましょう。

飲む温泉水は殺菌力がある?

日本にはたくさん温泉が湧いている地があり、中にはその源泉付近から汲んで飲むところが出来るところがあります。容器にいれて持ち帰る方もたくさんいるようですが、汲み上げた温泉水を長期保存するのは、飲用として用いる水としては危険です。

硫黄成分が入っている温泉水が多く、一見殺菌力に優れていそうに感じますが、汲み上げて湧水としての流動を止めた時点で、前述した水と同様に腐りやすくなります。たくさんのミネラルや栄養成分を含んでいて、私たちの体に良いように、微生物たちも容易に繁殖することが出来ます。

一度煮沸して冷ました白湯も!

塩素や不純物を取り除くために、一度煮沸させた白湯を飲んでいる方もいらっしゃいます。最近では、白湯ダイエットなど、美容、健康のために白湯を飲まれている場合もあるようです。こちらも、塩素が抜けてしまっているので、保存の面では要注意です!白湯を多めに作っておいても、腐ってしまっては意味がないので、容器を滅菌したり、なるべく空気や雑菌に触れさせないようにしたりして、上手に保管してくださいね。いずれにしても、早めに飲んでしまったほうがよいでしょう。

ちなみに、水道水には、トリハロメタンという発がん性物質が含まれているそうです。水道水を煮沸させ、10分以上沸騰状態を続けることで除去することができるようなので、白湯を作られる場合は、煮沸時間を長めに意識されるとよいでしょう。

ペットボトルのミネラルウォーターも要注意!

Young woman wearing armband drinking water

近年では、本当に手軽に美味しいミネラルウォーターが手に入るようになりました。コンビニなどですぐに買えるので、持ち歩いてたびたび飲んでいる方も非常に多いですよね。

日本で生産されているミネラルウォーターは、原料となる水を汲み上げて殺菌・濾過し、ペットボトルに充填して販売されている物がほとんどで、賞味期限内は非常に腐りにくい状態で保存することが出来ます。

しかし、一度開封してしまうと微生物に触れる機会は多く、特に小さいタイプのペットボトルは口をつけてそのまま飲用する方が多いため、微生物が入りやすく腐りやすくなります。ペットボトルから水を飲む際は、なるべくコップなど別の容器に移して、直接口をつけないことが腐敗を防ぐポイントです。

ふたを開けていないミネラルウォーターのペットボトルは、美味しくいただける賞味期限というのが記載されてはいますが、保管状況によっては、ずいぶん長持ちするそうです。ペットボトルやポリタンクは、微妙に酸素を透過させることができるらしく、水が腐りにくくなっているようです。ただ、においの強いもののそばに置いておくと、においが移ってしまうようなので、保管場所には注意しましょう。

井戸水って腐らないの?

Bottom of well

井戸は、何メートルも下の方に水がたまっている…というイメージで、本当にきれいなのかな〜とよく不思議に思っていました。流れのない水は腐りやすいのですから、井戸水はその典型なのではないかと、井戸水のことをよく知らない私は考えていました。

井戸の水の源泉は主に地下水で、その水は常に流動しています。そのため、微生物が繁殖しても循環しているため、水が腐ってしまうことはないそうです。

井戸水は、淀んでいるわけではなく、ちゃんと流れているのですね。井戸の場所にもよりますが、良い状態の地下水は、本当にミネラル分が豊富で不純物が少なく、大変美味しく身体にもよい効果があるそうです。

水を腐りにくくするには

Fountain With Apartment Building In Background

ため池のように水が流れず淀んでいるところでは、アオコなどの藻が発生しやすくなります。水面がアオコで覆われると水中まで日光が届かなくて、水中に生えている水草などが光合成ができず、水中の酸素が減ってしまいます。そうすると、水中の生物が死んでしまい、その死骸で水が腐っていきます。それを防ぐために、公園にある比較的大きめな池には、よく噴水などの装置がついていたり、外部から水を引き入れたりして、水を循環させるようにしています。

長期間、船で航海するときに、大量の水を積んでいくのですが、腐ることはないそうです。また、流れがある川の水も腐ることはないといいます。水が動いていると水の中に空気が入りやすくなり、水の中に酸素が供給されて、有機物が腐りにくくなるそうです。また、水が循環することにより、偏らずに有機物がうまく分散、分解されるので、水が腐りにくいという点もあるようです。

いずれにしても、中に含まれる有機物や微生物などの量、温度などの環境によって、腐る速さは変わってくると思われます。水をなるべく腐らせないようにするためには、微生物や細菌の入りにくい環境をつくったり、水に流れをつくって淀ませないことが大切なようです。

ちなみに、ペットボトルにお茶を入れて、数日間、振動を与えるものと与えないものではどうなるか、という実験が実際にされていますが、振動を与えたほうは、やや変質はしましたが腐りはしなかったそうです。振動を与えなかったほうは、カビが生えてしまったそうですよ。

だったら持ち歩いている水も大丈夫じゃない?と思ってしまいますが、ペットボトルの中の衛生状態にもよりますので、過信せず、早めに飲んでしまったほうがよいでしょう。

最後に

「水が腐りにくい」という点では、塩素消毒をしてある水道水が、一番安全なようです。しかし、塩素やトリハロメタンはなるべく摂りたくない!という方も多いでしょう。浄水器を通した水やミネラルウォーターなどを、傷むまえに飲んでしまうのが一番よいのかもしれませんね。

水でもお茶でも、滅菌・密封されていない状態のものは、だんだん腐敗していきます。水だから1、2日くらい大丈夫だろうと思ったら大間違いです!特に、一度使ったペットボトルに水を注いで持ち歩くときは、よく洗ってできるだけ菌類を減らすようにしてください。飲み口の部分は念入りに洗い、口をつけて飲む場合は、早めに飲みきってしまいましょう。

水を飲むのはとても身体によいことです。健康維持のためにも積極的に水を摂取することが大切ですが、あやまって腐りかけた水を飲まないように、新鮮さには気を配って飲むようにしましょう!