【ニキビにステロイドは効くの?】使い方を間違えると悪化?副作用はあるの?効果的な使い方や注意点を理解して正しく使おう!

ステロイドって副作用が多くて、怖い薬だと思っていませんか?でもステロイドって、実は私たちの身体の中で毎日作られているホルモンだったりします。ニキビ治療でどのようにステロイドを使用していけばいいのか、そしてステロイドはニキビ治療に効果があるのか検証しました。

ニキビにステロイドは効く?効かない?

インターネットでニキビとステロイドに関する情報を検索すると、ニキビにステロイドは効くという情報もあれば、ステロイドを使うと悪くなるという情報もあります。そこでニキビにステロイドは効くのか検証してみたいと思います。

ニキビの治療ではステロイドが推奨されていないって本当?

日本の医療では、根拠に基づく医療(EBM)という考え方があります。これは、医師などの医療に関わる専門家の経験や、個人的な勘などで治療内容や成果が左右されるのではなく、実験や調査といった研究から、科学的に導かれた裏付けのある医療をしようというものです。

そのために、各分野の専門学会が、多くの患者さんに行った治療やその結果を集めて、効果的な治療は何かというものをまとめた、診療ガイドラインというものが作られています。実はニキビに対する診療ガイドラインも日本皮膚科学会というところから出されています。

ステロイドに対しては、医療の専門家の間でも、使わない方がいい薬という意見がある一方で、適正に使えば良い薬だとする意見もあり、さまざまな認識があります。専門の学会からこのようなガイドラインを出すことで、医療の専門家の認識を再確認するという意味もあります。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、ニキビ跡やケロイド状になってしまった場合は、ステロイドの局所注射を勧めていますが、基本的にニキビの治療でステロイドの塗り薬の処方は推奨されていないのが現状です。

ただ、このガイドラインはマニュアルではないため、絶対にステロイドの塗り薬を使ってはいけないというものではありません。医師の判断により、炎症を抑える目的で一時的に使用することもあります。

ステロイドは危ない薬?

ステロイドは副作用が強く、危険な薬だという印象を持っている人は多いかもしれません。インターネットなどでは、ニキビにステロイドを使用すると悪くなってしまうから、使わないほうがいいという情報を見かけることもあります。

ニキビの治療薬と聞くと、塗り薬である外用薬を想像するかもしれませんが、ステロイド外用薬は1952年から使われていて、副作用としてどんなことが起こるのかについても知られています。また全身に作用するステロイド薬から、副作用を極力減らすために、そして限られた部分にだけ効くようにと作られたものが外用薬になります。

ステロイドに限らず、薬というのはどんなものでも副作用が起きる可能性を持っているため、ステロイドを使わなかったから安心だとは言い切れません。確かにステロイドには副作用がありますが、医師や薬剤師の判断のもとで慎重に使えば、炎症を抑えることにはとても効果のある良い薬でもあります。

ステロイド剤をむやみに怖がらずに、正しい知識を持ち、上手く付き合っていくことが大切です。

そもそもステロイドってなに?

ステロイドと聞くと、副作用のこともあり、怖い印象を持つ人も多いかもしれません。でも実は、私たちの身体でも毎日作られているホルモンなのです。

自分の身体でも作られている!

ステロイドが含まれている薬をもらうと、「副腎皮質ホルモン」と書いてあると思います。この副腎皮質ホルモンですが、これは腎臓の上にある副腎という3~4cmの小さな臓器から出されていて、小さい臓器ですが、人が生きていくために必要な、大切なホルモンを毎日決まった量で出してくれています。

この副腎皮質ホルモンを治療に使うために人工的に合成したものが、ステロイド薬なのです。ステロイド薬ってみなさんも耳にしたことがあると思いますが、抗炎症作用があるためアトピー性皮膚炎の治療を始めとしてよく用いられる薬でもあります。

どんな病気に使われているの?

ステロイドはアレルギーやアトピー性皮膚炎、喘息や膠原病などさまざまな病気の治療薬として幅広く使われています。ステロイド薬にはニキビ治療でも使われる塗り薬(外用薬)をはじめ、内服薬、注射、点滴、点鼻薬、目薬などたくさんの形態があり、病気によって使われる薬の種類や強さは変わってきます。

どの種類のステロイド薬も免疫を抑える、炎症を抑えるという効果があるため、免疫反応が過剰なことで起こる病気に対して効果があるとされています。

例えば、膠原病という病気では、治療のためにステロイドを使うことが多々あります。膠原病というと聞きなれない病気かもしれませんが、有名なものでは、慢性関節リウマチがあります。

膠原病は、自分の身体を守るために働いている免疫が、過剰に働いてしまい、自分の正常な組織も攻撃してしまうというもので、身体のいろいろな部分に炎症や症状が起こります。そのため、炎症や免疫を抑える作用があるステロイドは、膠原病の治療に使われています。

ニキビ治療への使用は要注意!

ステロイドは炎症を抑えてくれる優秀な薬ですが、使い方を知らないと、時として症状を悪くする悪役にもなってしまいます。
ニキビの治療にも使われるステロイド薬とは、どのように付き合っていくといいのでしょうか。

ステロイドでニキビが悪化するって本当?

ニキビはアクネ菌が原因となり発症しますが、実はこの細菌って、外部から侵入してくる訳ではなくて、私たちの皮膚に元から存在している細菌(常在菌)なのです。ニキビの原因になるアクネ菌は、殺菌した方がいいのでは?と思ってしまいそうですが、アクネ菌をはじめ、皮膚常在菌があるからこそ、私たちの皮膚は病原菌や紫外線から守られているため、捉え方によってはありがたい菌でもあります。

このように私たちを守ってくれている菌ですが、普段はアクネ菌の数がコントロールされているものの、病気やストレス、寝不足などでアクネ菌が増えすぎてしまうとニキビになってしまいます。ステロイド薬には、炎症を抑える効果があります。ニキビは肌の炎症になるので、ステロイドを使うことで肌の炎症は良くなります。

しかし、免疫を抑えるという働きもあるため、アクネ菌の数が増えてニキビができている状態のところに塗ってしまうと、余計にアクネ菌が増えてニキビができてしまいます。このようにステロイドを塗ることでできてしまうニキビは、ステロイドニキビと言われています。

ステロイドを塗ると、肌の炎症が改善されたことでニキビの赤みが減り、目立たなくるため、ニキビが良くなったと思ってしまいがちですが、ステロイドはあくまでも炎症を抑えるものなので、ニキビの根本的な治療にはなりません。

赤ら顔になるステロイド酒さって何?

ステロイド酒さとは、ステロイドを中止したことで起こる酒さ様皮膚炎で、赤ら顔、ほてり、痒み、ヒリヒリとした感じなどがその症状です。また、赤ら顔の部分は熱を持っていて、その部分の肌の水分が蒸発してしまい乾燥して皮膚がはがれてしまうことやニキビのようなできものができることもあります。

使用していたステロイド外用薬の強さや、使用期間によっても変わりますが、ステロイド中止3日後から始まり、2週間くらいでピークを迎え、6週間後にはかなり改善すると言われています。ステロイド酒さの症状は、ステロイドを中止したことで起こるため、出てきた症状に驚いて、ステロイドを中止したからだと再開してしまうケースもあります。

そうするとステロイド酒さは一時よくなるものの、またやめた時には同じことが起こり、だんだん症状もひどくなってしまいます。ステロイド酒さは、場合によっては抗生剤を内服する選択肢もあるため、医師などの専門家と相談しながら対処していくといいと思います。

多毛に色素沈着 これって副作用!?

ステロイド外用薬の副作用としては、感染症、多毛、色素異常などが起こると言われていますが、どうなのでしょうか。

ステロイドを使うとステロイドニキビができること、これも感染症という副作用と言えばそうかもしれません。ステロイドを使用すると、肺炎や結核などの感染症が起こりやすくなると言われていますが、ステロイド外用薬では、通常の用法容量の範囲であれば、まずこのような全身に起こる重篤な感染症の副作用は起こらないとされています。

多毛に関しては、ステロイド外用薬を塗った場所に局所的に起こり、長期的に使用を続けた場合に起こりやすいようです。多毛と聞くと、ステロイド外用薬なんて使いたくないと思う人もいるかもしれませんが、ステロイド外用薬で起こった多毛に関しては、薬の使用を中止すれば改善すると言われています。

色素異常に関しては、ステロイド自体が悪さをしていると誤解されていることも多いようです。炎症が起きている間は、赤みを帯びていてその色が目立っていますが、ステロイド外用薬を塗った後に、皮膚の炎症が治まると、赤みがとれて、炎症のために多く分泌されたメラニン色素による皮膚の黒ずみが目立ってきてしまいます。

このことが、ステロイドの副作用に色素異常があると思われている理由だと思います。そのため、色素沈着は治りかけの証拠でステロイドの副作用ではないのです。

内服薬のように全身に作用するステロイドでは、量にもよりますが糖尿病や胃潰瘍のリスクが高まったり、不眠症が起こることもあります。外用薬の場合はここまでの副作用は、あまり起きないと思いますが、必ずしもゼロというわけではありません。

ただ、ステロイドの入っていない薬でも副作用は必ずあるものです。外用薬といえども、副作用をなるべく起こさないようにするために、医師や薬剤師の判断のもと、正しく使いましょう。

ステロイドの効果的な使い方

覚えておこう!ステロイド外用薬の特徴

ステロイド外用薬は、強さによって5段階(強い方からストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、マイルド、ウィーク)に分かれています。そのため、薬を塗らなければならないような、ニキビや皮膚の炎症ができた場所や、炎症の強さによって、使う薬を変えていく必要があります。

よく、ニキビができる顔面は血流がよく、ステロイドの吸収も良く行われる場所なので、マイルドクラスのステロイド外用薬が使われます。かなりひどい炎症が起きている場合は、ストロングクラスの外用薬を使うこともあります。

病院を受診して、ステロイド外用薬が処方される場合、不安があるようであれば、処方された外用薬のレベルはどれくらいなのか、医師や薬剤師に質問してみたり、例えばストロングクラスの外用薬が処方されているようであれば、その理由を聞いてみたりすると安心して使える材料になるかもしれません。

初期段階の赤ニキビに

赤ニキビはニキビが炎症を起こしている状態です。基本的に、ニキビの治療に対してステロイドの外用薬は使われませんが、赤く腫れてしまった赤ニキビの場合は、まず炎症を和らげなければならないので、その目的のために処方されることがあります。

ステロイド外用薬が効いてくると、赤みが取れてきれいになったように感じるかもしれません。しかし、ただ炎症を抑えただけなので、根本的な解決にはなっていません。ステロイドで炎症が取れた後に、ニキビを作らないようにどのように改善させていくかということが大切です。

ニキビ跡の色素沈着には効果なし?

ステロイドは炎症を抑える効果がありますが、色素沈着を起こした部分は、すでに炎症が終息しているため、使用しても効果がありません。

炎症が起きると、肌を守ろうとする機能が働き、メラニン細胞から色素沈着の原因となるメラニン色素がたくさん出されます。

通常は、炎症によってメラニン色素が多く出てきても、肌の新陳代謝、ターンオーバーが上手く働いていれば、徐々に排出されていきますが、そのターンオーバーに異常があったり、炎症が重く、皮膚の深いところにまでダメージが及んでいると色素沈着が起こることがあります。

このような色素沈着にはステロイドではなく、ビタミンC誘導体が効果的であると言われています。

ビタミンC誘導体には、肌の新陳代謝を促進させる効果やメラニン色素を還元していく効果、炎症を抑える効果があると言われています。

このビタミンC誘導体が含まれているローションは、保険診療は効きませんが、皮膚科で処方してもらえることもあります。自費診療なので、費用は医療機関ごとに異なりますが、およそ3000円前後のところが多いようです。

市販品にもビタミンC誘導体を含んだ商品がありますが、市販品に比べ、処方したもののほうが含有量の上限が高いので、受診する時間がとれるようであれば、皮膚科医に相談してみてもいいのかもしれません。

ケロイド化したニキビ跡にはステロイド注射?

ニキビが治ったのに、跡(瘢痕)が残ってしまって悩んでいるという人もいると思います。特にニキビ跡がひどかったりすると、これってケロイド?一生残るの?と不安な人もいるかもしれません。ひどいニキビ跡をケロイドと言うのを聞きますが、実はケロイド状に見えていても、肥厚性瘢痕とケロイドといわれる2つの状態があります。

肥厚性瘢痕もケロイドも見た目はあまり変わりませんが、肥厚性瘢痕の場合は、傷ができた場所から広がることもなく、時間は比較的長くかかりますが、改善していくのが特徴です。一方、ケロイドの場合は、傷ができたまわりのきれいだった皮膚にまで広がってしまうこと、肥厚性瘢痕とは違い、時間が経っても良くならないことが特徴です。

日本皮膚科学会が出しているガイドラインでは、瘢痕化したニキビ跡でもケロイド化したニキビ跡でも、ステロイドの局所注射が推奨されています。肥厚性瘢痕もケロイドも、肉眼で診断をすることは難しいですが、どちらにしても治療法は同じです。

できたばかりのニキビ跡は、肥厚性瘢痕の可能性もあるため、少し様子をみてもいいのかもしれませんが、傷が広がってきた、痛みや痒みがあって困る、見た目が気になって仕方ない場合などは、皮膚科を受診して相談してみるといいのかもしれません。

ステロイドの局所注射に関しては、薬を注射器で注入する分、即効性がありますが、医師の技量に左右されるところも大きく、注入量が多すぎると皮膚がかえって陥没してしまうこともあるため、注意が必要です。

ステロイド+抗生剤という選択肢

ニキビや炎症の状態にもよりますが、ステロイドに抗生物質を加えて治療するという選択肢もあります。ステロイドは炎症を抑える効果がありますが、同時に免疫の力も抑えてしまうので、ニキビの原因となっているアクネ菌が多くなってしまうこともあります。そのような場合には、抗生物質を使うことで効果が期待できます。

ニキビ治療に使える抗生物質には、いくつか種類がありますが、妊娠中の女性には使えない成分が入っていたりする薬もあり、ニキビの状態はもちろんのこと、性別や年齢、妊娠などのライフイベントなど、その人の状況に合わせて判断された薬が処方されます。

こんな種類がある!ステロイド外用薬

ステロイド外用薬にどのようなものがあるのか紹介します。ここで紹介するのは、ほんの一例です。ジェネリック医薬品が普及している今日では、薬の名前が違うけれど成分が同じという薬もあります。

処方薬

保険診療で処方できるステロイド外用薬には多くの種類がありますが、ニキビができる顔に塗ることが多いので、炎症の度合いにもよりますが、マイルドレベルのステロイドを使うことが多いです。マイルドレベルのステロイドでよく使われるものにロコイド軟膏があります。

ロコイド軟膏は、アトピーの子どもにも処方されるもので、比較的刺激が弱いもののようです。それほど強いステロイドではないので、副作用の心配もそれほどありませんが、ステロイドであることには変わりないので、処方された際には、医師や薬剤師からの指示を守ったほうがいいでしょう。

ステロイドの外用薬と言えば、「リンデロン」という名前の軟膏を知っている人が多いかもしれません。リンデロンはロコイド軟膏よりもワンランク強いストロングタイプになります。リンデロンには、ステロイドに抗生物質を加えたリンデロンVGという種類も出ています。

市販薬

ステロイド外用薬の市販薬は、処方薬と同じように何種類も販売されていますが、女優がCMに出ていたフルコートFなどは、知っている人が多いのではないでしょうか。薬局に薬を買いに行くと、どれを買っていいのか分からず、自分が知っているものをつい選んでしまいがちですが、ニキビ治療に使用するステロイド軟膏だけは、その方法で買わないほうがいいかもしれません。

フルコートFは、抗生物質も入っているため、塗り始めると劇的に良くなるかもしれません。しかし、ストロングレベルのステロイド軟膏なので、顔に塗るには強すぎます。知らず知らずに使ってしまうと、使用をやめた途端に悪化するなんてことになりかねません。

市販薬で顔に塗れるくらいの、マイルドレベルの軟膏であれば、テラコートリル軟膏があります。弱いタイプのステロイドですが、こちらも抗生物質が入っています。

市販されているステロイド軟膏はOTC医薬品といって、病院で使用されている医療用の薬と同じ成分のものを薬局で薬剤師からアドバイスを受けることで買えるようにしたものです。医療費の抑制を狙って国が進めたところもありますが、私たちにとっても、身体に不調が出てきたときに手軽に薬を手に入れることができるメリットがあります。

しかし、その一方で知らないうちに間違って使用してしまうデメリットもあります。薬局に売ってる薬なら大丈夫とは思わずに、購入前には薬剤師に相談をする、不安があれば医療機関を受診するなど注意してしようするようにしたほうがいいでしょう。

まとめ

ステロイドは諸刃の剣を持っている薬ですが、正しい知識を持てば、必要以上に怖がる薬ではありません。使用するにあたり、不安があるときには、正しく理解をした上で医師、薬剤師などに相談をするといいかもしれません。そして医療の専門家の判断、指導のもと、慎重に使用しましょう。